和田洋人先生のこと
去る2021年7月18日、漫画家の和田洋人先生が急逝されました。
和田先生とはTwitterでも相互フォローだったのですが、8月も末になって「そういえば最近ツイートしてないな?忙しいかな?」と思ってイブニングの公式サイトを覗いたら、
トップに訃報が出ておりまして…
もう1か月以上前に亡くなっていたのかと。それからの一週間、どうにも落ち着かずに過ごしておりました。
僕は出版業界とも無縁のただの会社員なのですが、和田先生とは10年以上前にネット上で出会い、それから今まで交流が続いてました。
ようやく落ち着きを取り戻してきたので、ここで一度和田先生との交流を記録しておこうと思います。
これは自分の心の整理のためでもあり、また、和田先生のご親族や親しい方々、ファンの皆様の心を埋める一助になれば、という思いもございます。
書き上げてみたらとても長い記事になってしまいましたが、よろしければ。
■がじゅまろさんのこと
僕にとって和田洋人先生は「がじゅまろ」さんでした。
僕は会社員になって約10年間、とあるジャンルで同人漫画を描いていたのですが、自分の画力のなさによる作画作業がつらくなってしまい、2008年に活動を停止してしまいました。
その同じ年、絵を描く楽しさを取り戻すのと画力アップを目的としたデッサン練習を始めまして、その記録を「手ログ」という名のYahoo!ブログに残しておりました。
現在のこのブログが、Yahoo!ブログ終了に伴ってそれを移植したものになります。
その活動の中で、同じYahoo!ブログ内で出会ったのが「がじゅまろ」さんでした。
Yahoo!ブログは2019年12月にサービス停止してしまって、僕はYahoo!から提供されていた移行ツールを使ってこのはてなブログの方に記事を移植したのですが、がじゅさんはどうやら移行しなかったらしく、検索してもヒットしないです。
当時僕は「30秒ドローイング」という「人体の3Dモデルをスケッチするのを、30秒で1体、5分間1セット(10体)として行う」というトレーニングをやっておりまして、ちょうど同じ時期に30秒ドローイングの実施記録をブログに残していたのが、がじゅさんでした。
そのうちお互いにコメントを残すようになりまして、自分にとってサークル活動以外で初めての絵を描く仲間ができたのでした。それが2008年のこと。
当時の交流の記録は?と探してみたものの、Yahoo!ブログからの移行では各記事につけたコメントが引き継がれなかったので、直接的な記録が残っておらず。しかもがじゅさんもブログ移行しておらず・・
探してみたところ、以下の通り自分のブログの記事内で触れているのが交流の数少ない痕跡でした。
同じように練習している仲間がいるってのはとても心強くて、がじゅさんは例えるなら「同じスポーツジムに通っている顔なじみ」のように感じておりました。
当時がじゅさんは自分の職業については一切語っておりませんでしたが、その知識と経験から、おそらく漫画家さんかアシスタントさんだろうなーとは思っておりました。
そんな日々が3年ほど続き、自分は仕事と子育てで忙しくなり、一方でがじゅさんも多忙なせいか、お互い更新が減ってしまい、しばらく交流がストップいたします。
尚、がじゅさんはYahoo!ブログの移行はしなかったようですが、当時ブログに乗せていた絵は現在pixivの方に残っています。
和田先生の漫画を読んだことがある方は「これは和田先生の絵柄だ!」ってわかると思います。女子の描き方が一緒ですね。
■和田洋人先生がデビューした時
その後僕は2011年の正月からtwitterをはじめまして、すぐにがじゅさんと再会します。
ちなみにがじゅさんのtwitterアカウントは現在鍵アカウントになってますが、和田洋人としてデビューしてから鍵をかけたので、プライベート用との使い分けとして鍵かけただけみたいですね。
内容としては別に愚痴とか悪口とか全然なく、普通に日常をツイートされてました。最近のを見返したところ、交流のある漫画家さんのリツイートがほとんどでしたね。最初はダジャレも多かったかな(笑)
その後数年は特に波もない交流がつづいてました。
そして2017年、突然のDM。
僕の第一話の素直な感想。
それから数ヶ月後にさらに嬉しい報告が。
「ファラ夫」は本当嫌な気分にならない、年齢を問わないギャグ漫画と思います。今回久々に読み返してほっこりしながら見てしまいました。
その後、「殿様とスティッチ」という予想のさらに斜め上のディズニーコラボ漫画を連載されまして。本作も癒し系コメディなのでおすすめです。
■よりもいのこと
2018年1月にアニメ「宇宙よりも遠い場所(そらよりもとおいばしょ)」、通称「よりもい」が放送されました。ニューヨークタイムズの「2018年ベストTV番組(海外部門)」にも選出された名作です。
僕はこの作品を観て以来生活が一変し、ツイッター上ではよりもいか南極関連のことしかつぶやかないような状況でした。
あまりによりもい、よりもい言ってるので、ついに和田先生も観てくれました。
■病気のこと
僕の方は2019年に大腸がんが見つかりまして。幸い早期で今では全く問題ないのですが、やはりその時漫画家さんの短命とか健康診断受けてないのでは?とか心配になって和田先生にもメッセージ送ってました。その時のやり取りです。
プライベートな話もあったので可能な限り転記
『自分も44なのでありえない話ではないですし、守るものがあるからこそ今は死ねないと言うのがあります。最後に健康診断を受けたのももう4年程前になりますし(中略)歯を治し出したのも連載前の準備みたいな形です。健康に意識を向けるきっかけを作っていただき、ありがとうございます。』
この時は和田先生のアカウントでの最後のツイートになった、蓄膿症とか、脳疾患とかいう話が一切なかったので、今回の死因につながるような話はありませんでした。
しかし見返してみたら歳1個しか違わなかったのね・・
■生前の姿
実は和田先生、インターネットの番組に素顔で出ております。
リンクはこちら。漫画愛番組ゲッチメ!vol.226 開始32分ごろから登場します。
当時DMでも連絡もらってたのですが、ネットの生放送なんて時間を合わせるのが大変なので全く見てませんでした。
まさか亡くなった後に初めて見るなんてね。
なかなかいい男ではないか。
「がじゅまろ」と名乗ってたブログの時、がじゅさんは自画像として海兵隊員のような屈強そうな男性の絵を載せてたんですが、結構似てたと思います。
■最後のやりとり
僕が最後にDM頂いたのは2020年の秋、フリートに反応もらったのが今年の5月でした。
■おわりに
以上が僕とがじゅさんこと和田洋人先生の思い出でした。
和田先生は立場も職業も異なり、リアルに会ったこともありませんでしたが、僕にとってはネットで出会った貴重な友人でした。
…っていうか、がじゅさん。本当に死んじゃったのかよ。
悪いけどあと60年は生きるつもりなので、再会はずいぶん先になりますよ。
絵も続けるけど、健康第一で行きたいと思います。長生きする。本当長生きする。
がじゅさん、また絵が上達したら報告しますね。いつかまた。